良い商品を、安定した品質と価格で供給してくれるパートナーをどう見つけるか。現代ではインターネット、展示会、公的機関の3つのルートを使い分けるのが主流です。
1. 経営者が選ぶべき「3つの仕入れルート」比較
それぞれのルートにはメリットとリスクがあります。自社のリソース(予算・時間・英語力)に合わせて選択します。
| ルート | 主な手段 | メリット | リスク・注意点 |
| B2Bサイト | Alibaba, Global Sources | 24時間・世界中から検索可能。小口取引にも強い。 | 詐欺業者や、工場のふりをした商社(仲介)が非常に多い。 |
| 展示会 | 広州交易会, CES, 専門見本市 | 現物を見ながら直接交渉できる。相手の熱量を感じられる。 | 渡航費・時間がかかる。名刺交換後のフォローアップが勝負。 |
| 公的・紹介 | JETRO, 商工会議所, 銀行紹介 | 信頼性が高い。公的機関の「審査」を一度通っている安心感。 | 選択肢が限定的。スピード感に欠ける場合がある。 |

2. 失敗しないための「サプライヤー見極め」3つの基準
最初のコンタクトの前に、相手のプロフィールから以下の3点を確認しましょう。
- 「工場」か「商社」か:
- 会社名が「〇〇 Trading」なら商社の可能性が高いですが、最近は「Manufactory」を名乗りながら実態は商社というケースも。製品ラインナップに一貫性がない(例:スマホケースとキッチン用品を両方売っている)場合は、転売業者の可能性が大です。
- 認証(Certificate)の有無:
- ISO9001(品質管理)や、日本市場ならPSE、食品衛生法に関わる工場の監査レポートを持っているか。これらを持っていない業者は、日本の厳しい法規制(第1-2章)をクリアできないリスクがあります。
- 取引実績(Export Experience):
- 「日本への輸出実績があるか」は決定的な判断材料です。日本特有の品質要求の高さや、梱包の丁寧さを理解している業者との取引は、後のクレームを大幅に減らします。
3. 実務担当者向け:返信が来る「最初の1通」の書き方
海外の有力なサプライヤーには、毎日世界中から数千件の問い合わせが届きます。「How much?」だけのメールは無視されるか、適当な高い見積もりを提示されるだけです。
問い合わせメール(Inquiry)に入れるべき5項目
- 自社の紹介: 「日本で〇〇の販売網を持つ会社である」と、相手にとってのメリットを提示。
- 具体的な品目: カタログのどの型番に興味があるか。
- 想定数量(MOQ): 最初はテスト輸入であること、将来的な年間ボリュームも添える。
- 配送条件: 「FOB Shanghaiでの価格をください」と、第1-1章で学んだインコタームズを明示。
- 質問: 「日本への輸出実績はあるか?」「OEM(自社ロゴ入れ)は可能か?」など。
【実務のヒント】
メッセージはシンプルで明確な英語(Simple English)を心がけましょう。チャット形式(Alibabaのチャットなど)の場合は、即レスすることが「信頼できるバイヤー」と認識される近道です。
4. 経営判断:なぜ「初期アプローチ」に時間をかけるのか?
貿易のトラブルの多くは、「コミュニケーション不足」と「期待値のズレ」から生まれます。
- 最初から1社に絞らず、必ず3〜5社に同じ条件でアプローチ(相見積もり)をかけます。
- レスポンスの速さ、質問に対する回答の的確さ、価格の妥当性を比較することで、自社の「マーケット価格」の感覚を養います。
まとめ:取引開始は「テスト輸入」から
最初から数千万円の契約を結ぶのは博打です。このアプローチフェーズの最後は、必ず「サンプル発注(第0-2章)」に繋げ、現物とプロセスの両方をテストすることが、負けない輸入ビジネスの鉄則です。
