通関業者がNACCSで操作を行うと、システムからPDF形式やCSV形式で書類が出力されます。輸入者は、通関業者からこれらの控えを必ず受け取り、適切に保管する必要があります。
1. 最重要:輸入許可通知書(Import Permit)
通関手続きのゴールであり、最も重要な書類です。
- 役割: 税関が「この貨物の輸入を認めた」という公的証明です。
- 記載内容:
- 貨物の詳細(品名、数量、重量、HSコード)
- 課税標準額(CIF価格)
- 支払った関税・消費税の額
- 適用したEPAのコード
- 経営・実務上のポイント:
- 7年間の保存義務: 関税法に基づき、原本(または電子データ)を7年間保存しなければなりません。
- 消費税の仕入税額控除: 確定申告で輸入消費税を控除する際の唯一の証憑となります。
2. 輸入申告事項登録完了通知(IDA控え)
許可が出る一歩手前、申告データをNACCSに入力(登録)した際に発行される控えです。
- 役割: 「どのような内容で税関に申告しようとしているか」を確認するための書類です。
- 実務上のポイント:
- 通関業者から「この内容で申告して良いか」と確認を求められる際に参照します。
- 許可が下りる前に、EPAの適用漏れがないか、HSコードが間違っていないかをチェックする最後の砦となります。
3. 納付書・領収証書(納付済通知書)
関税や消費税を支払ったことを証明する書類です。
- 役割: 国庫へ税金を納めたエビデンスです。
- 実務上のポイント:
- 銀行振込やリアルタイム口座振替で行った場合、システム上で「納付済」のフラグが立ちます。
- 経理部門が「実際にいくら税金を払ったか」を照合するために使用します。
4. 搬出確認完了通知(Out-of-Charge Notice)
貨物が保税地域から物理的に外へ出ることが許可されたことを示す通知です。
- 役割: 倉庫(保税地域)からトラックへ貨物を積み込む際の「ゲートパス」のような役割を果たします。
- 実務上のポイント:
- 輸入許可が出ていても、この通知がシステム上で流れないと、貨物を港から持ち出すことができません。
5. 【経営者向け】書類管理のデジタル化(電帳法対応)
2024年からの電子帳簿保存法の改正に伴い、これらのNACCS書類の保管方法も重要になっています。
- 電子保存の推奨: 以前は紙での保存が一般的でしたが、現在はNACCSから出力されたPDFをそのままサーバーやクラウドで保存することが一般的です。
- 検索性の確保: 「取引年月日」「取引先(輸出者)」「取引金額」で検索できるように管理しておくことが、事後調査をスムーズに受けるコツです。
まとめ:書類の「内容」を必ず確認する癖をつける
通関業者から届く書類を「ただのファイル」として保存するのではなく、**「申告価格は正しいか?」「EPAは適用されているか?」**を1枚ずつ確認することが、貿易コンプライアンスの第一歩です。