インド政府が、経済都市アーメダバードと、開発中の新都市ドレラの間に「準高速鉄道」を通すことを決めた。
一見すると「インドで新しいインフラが整備される」というだけの話だが、その裏にはインドが国を挙げて進める「半導体大国化」への執念がある。
舞台となるドレラは、インド政府がゼロから建設している超巨大なスマートシティだ。
ここにインドの巨大財閥タタ・グループが、台湾企業と組んでインド初となる本格的な半導体工場を建てる。半導体ビジネスを軌道に乗せるためには、高度な技術を持った人材の確保と、精密部品をタイムリーに運ぶ物流網が絶対に欠かせない。
しかし、ドレラはまだ開発中のエリアであり、既存の主要都市からのアクセスが悪いという致命的な弱点があった。
そこで政府が「じゃあ、大都市アーメダバードから高速鉄道を引っ張って、ヒトとモノを爆速で移動できるようにしよう」と、力技でインフラの穴を埋めに来たのが今回のニュースだ。
背景にあるのは、世界的な「脱・中国(チャイナ・プラス・ワン)」の流れ。
中国に依存しすぎるリスクを恐れる世界のハイテク企業を、インフラの優位性でドレラへ一気に囲い込もうという算段だろう。モディ首相の地盤であるグジャラート州への国策投資という政治的な側面も強い。
単なる「電車の線路が増える」という話ではない。世界のハイテク・サプライチェーンの主導権を握るために、インド政府がインフラというインサイドから外堀を埋めにきている。現地のビジネス環境の勢力図は、ここから一気に塗り替わる可能性があるな。
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